第1章 不思議な靄
紡side
「やっぱり居ないか。」
僕は下校途中に霊達が居そうな場所を探して見て回った。
何体か見かけたがどれも害は無さそうでただ立っているだけだった。
あの黒い靄の正体って何だろう。
何故琉己くんだけ?
出てくるタイミングもイマイチ掴めない。
琉己くんの身体にまとわりついているような感じだった。
それに、完全に僕の事を拒絶していた。
琉己くんは心霊スポットに行きそうな人でもないし。
やっぱり墓地から連れてきてしまったのか。
空も暗くなってきてそろそろ帰ろうかと体の向きを変える。
結局何の収穫もない。
何か情報を得た所で僕には何も出来ないけど。
「ただいまー。叔母さーん、来たよー。」
今日は叔母の体調の様子を見るため叔母の家、かつて僕の従兄弟が住んでいた場所に来た。
「おかえり。よくこの村に来たね。」
お葬式以来に会うが思ったより元気そうだ。
「うちに上がっていく?お菓子とジュースもあるからよかったら。」
「うん。お邪魔します。」