第1章 不思議な靄
紡side
「紡は部活どうするん?もう決めてるん?」
「あー僕は入らないよ。運動とかも苦手だし。バイトもしなきゃだから。」
「バイト?……なんか大変なんだな。」
「稑くん達はどうするの?」
「俺達も入んない。特にしたいのもないし。早く帰りたいし。」
意外だった。
稑くんは運動とか好きそうなイメージだった。
琉己くんはあまり興味無さそう。
「なら僕達3人とも一緒なんだね。」
「うん、琉己と一緒。係は別なんやけどね。まぁ仕方ない。」
稑くんはじゃんけんで負けてしまい、残り物の委員会に入ってしまった。
気の毒だ。
僕だったらショックで学校生活やっていけない。
「その分学校外で遊ぶといいんじゃない?」
「それはもちろん。」
嬉しそうに稑くんは微笑む。
僕はこの2人の輪の中には入り難いな。
邪魔しちゃいけない空気が漂っている。
「あ、そういえばさ。この辺で有名な心霊スポットとかある?」
余り関わらない方がいいのかもしれないが、どうしても琉己くんが心配だから原因だけでも突き止めようと稑くんに尋ねてみた。
「心スポ?いやーうーん……聞いた事無いな。」
「そうなんだ。」
「何かあったん?ただの興味本位?」
「え、あ、うん!そうそう!雰囲気ありそうだなって。」
僕は慌てて嘘をついた。
ここで琉己くんに霊が取り憑いてるなんて言ったら嫌われるから。