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【R18】消えた君

第1章 不思議な靄


紡side

少し吐き出したら楽になった。
ここまで体が拒絶するほどの霊なんて初めてだ。
琉己くんはどうも無いのだろうか。
これだけの物が取り憑いてるなんて危険すぎる。
いつ命を奪われてもおかしくない。
でも僕には霊を払う能力も知識もない。
ましてやあの霊の正体すらわからない。
僕には何も出来ないのかな。

「紡?大丈夫か?」

稑くんが心配して来てくれた。

「う、うん。もう平気だよ。」

「体調悪いんならはよ帰ったがいいんやない?無理はしたらいかん。」

稑くんの方言って可愛いな。
訛り方も少し安心する。

「心配してくれてありがとう。今は何ともないから大丈夫だよ。今教室に戻ろうとしてた所。」

「そっか。」

稑くんと一緒に教室に戻るとクラスメイトはほとんど揃っていた。
間もなくホームルームが始まるからか席に着き始める生徒もいる。

「大丈夫なんか?」

「うん、心配かけてごめんね。」

琉己くんも相変わらず無表情だけど心配はしてくれる。
見た目で決めつけるのは良くないよね。

「おはよー。ホームルーム始めるから席に着けー。」

担任の先生が教室に入ってきた。
今日は委員会や係を決めると言っていた。
その後は部活紹介、オリエンテーション。
午後からは僕達は下校になる。
明日からは通常授業らしい。

委員会はなるべく入りたくないな……
クラスに馴染めるのも時間かかりそうだし。
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