第4章 呪いと想い
紡side
「待って!琉己くんって稑くんの事が好きなんじゃ!?//」
「稑……?あー……まぁ好きやけどそういうんじゃない。」
勘違い?
じゃあこの前のは何だったの?
「ごめん、状況がまだ……」
頭を抱え琉己くんから目を背ける。
1回デート?はした。
でもそれ以外に2人で何かすることなんて無かった。
強いて言うなら2人でメッセージのやり取りが増えたくらいだ。
いつから僕を?
「……お前は……どうなんだ?」
「ぼ、僕は……//」
返答に迷っていると他クラスの先生が廊下を通り、僕たちに気づいた。
「お前ら何やってんだ?」
「あ、今から戸締りして帰るところです。」
「そうか。用がないなら早く帰れよ。」
先生はそれだけ言い再び廊下を歩いてどこかへ行ってしまった。
キスされてる時じゃなくて良かった。
ほっとしていると琉己くんが僕の手を引き2人分の鞄を持つ。
「琉己くん?!ちょっと!」
「ここじゃ人目が気になるから俺の家に行こう。」
琉己くんの家!?
それはちょっとまずい気が……
手を引き剥がそうとするが力が強くて抵抗できない。
僕は諦めて琉己くんについて行った。
「お邪魔します……」
初めて来た琉己くんの家。
家全体から琉己くんの匂いがする。
すごく好きな匂い。
靴を揃えて家に上がらせてもらう。
こんなことして、また黒い靄が出てきたらどうしよう。
そんな不安が過ぎるが、一方で琉己くんと両想いだという事実を知ってしまい諦めきれない気持ちもある。
琉己くんが部屋まで案内してくれる。
「適当に座ってて、飲み物持ってくる。」
「いい!すぐ帰るから!」
「……そう。」
2人だけの空間が落ち着かず正座をしてしまう。
手にも力が入る。
僕の前に琉己くんが座る。
「で、改めて聞くけど……お前はどうなんだ?」
「ぼ、僕……は……//」