第4章 呪いと想い
紡side
そんな話をしてホームルームが始まるのを待っていると琉己くんが教室に入ってきた。
「おはよ。」
「おはよー。遅かったね。」
稑くんはいつも通りに話しかける。
さっきの表情は気のせいだったのかな。
琉己くんは僕の方を見て口を開こうとした。
僕はそれから逃げるように立ち上がる。
「ぼ、僕トイレ行ってくるね!」
琉己くんとは距離を置かないといけない。
そう思い、僕は琉己くんから離れた。
あれからメッセージも無視している。
どういう気持ちで返信したらいいかも分からない。
好きな気持ちは変わらないのに、それよりも今は恐怖心の方が勝る。
もうあんな怖い体験はしたくない。
その後も琉己くんから話しかけられようとしたが僕は全部何かと理由を付けて逃げた。
稑くんも不思議そうな顔をしていた。
結局今日1日は琉己くんと一言も会話せずに終わってしまった。
メッセージも頻繁に来ていたが僕は無視をして琉己くんとの距離を置いた。