第3章 邪魔者
紡side
「上がったよー!……って何してん?」
「え……こ、これはその……//」
「ん……あれ、稑……?」
琉己くんが目を覚まし、稑くんの方を見る。
その後に僕の方を見て見比べている。
それから理解したのか慌てて僕の方を見た。
「ごめ「ぼ、僕やっぱ帰るね!雨も今ならそんなに酷くないし!じゃあ!」」
琉己くんが謝ろうとしたのを遮って僕は稑くんにそう伝え部屋を飛び出した。
いくら好きな人とは言え、僕以外の名前を呼ばれてキスされるのは思ってた以上に傷付く。
突然の事で初めは理解が追いつかなかった。
でも気持ちよかった。
……稑くん……いいな……
琉己くんに好かれてて。
稑くんは好きなのかな……
僕は失恋したことを改めて思い出し、雨の中傘を差さずに走って帰った。
頬を流れる雫も涙なのか雨なのか分からない。
「うっ……ひっく……うぅ」
初恋だったのに……ファーストキスだったのに……
こんなに苦しいなんて。
2人のために僕は引かないと。
僕は邪魔者だ。