第3章 邪魔者
紡side
家に帰り着き、試験に向けて僕は勉強をしていた。
家には僕1人。
先程まで降っていなかった雨も降り出してきた。
琉己くんからはまだ連絡がない。
心配で勉強も捗らない。
静かな部屋に激しい雨音だけが響き、余計に寂しさが増す。
「会いたいな……」
俯いて窓から見える空を眺める。
まだ連絡が無い。
……そういえば琉己くん、稑くんと同じ傘に入って帰ってた気がする。
朝の雨で傘が壊れたのだろうか。
もし今頃この雨で琉己くんが動けなかったらどうしよう。
迎え……行ってもいいだろうか。
いい迷惑って思われないかな。
「……迎え行こう……」
迷惑って思われてもいい。
僕がしたいからする。
会いたいから会いに行く。
僕は傘を持って家を出た。
外は先程よりも暗く雨も激しくなっていた。
そんなのもお構い無しで僕は本屋までの道を走った。