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【R18】消えた君

第2章 初恋


紡side

恋……
恋かぁ……

週末に琉己くんと遊びに行ってからずっとその言葉がグルグルと頭の中を回っている。

「おはよー。」

稑くんが気だるそうに僕に挨拶をしてくる。

「おはよ。体調は大丈夫なの?」

「うーん、まだ少し頭痛い。この前はごめんねー。急に行けなくなっちゃって。」

「僕は大丈夫だよ。それより無理しないでね。」

「……紡って優しいね……大好き……」

稑くんが僕に抱きついてきた。
良い匂い……可愛い……
稑くんみたいな弟欲しかったなぁ……

「何やってん……」

抱きついてきた稑くんの頭を撫でていると琉己くんが後ろから声をかけてきた。
気の所為か少し不機嫌に感じる。

「琉己くん、おはよ。」

「おはよー琉己。紡が優しすぎてつい。」

「ふーん。」

そう言って席に座る。
それから一言も話さず眠ってしまった。

『何か不機嫌だね。』

ここにもミキちゃんは着いてきていた。
どこまで着いてくる気なんだろうか。
でもミキちゃんの言う通り琉己くんが少し不機嫌な気がした。
……もしかして僕と稑くんがくっ付いているから?!
2人は確かにかなり仲がいいし。
後から来た僕って邪魔者……

慌てて稑くんを引き剥がす。

「稑くん、琉己くんとは久しぶりだから琉己くんとも話そ?」

「うーん……」

そう言って稑くんは琉己くんの元へ行って抱きつきに行った。

「琉己ー……はぁ暖かぁい。」

「稑……お前まだ熱あるやろ。」

琉己くんが稑くんと額を合わせている。
顔が近い。

ズキ

胸が一瞬痛んだ。
2人は今にもキスをしそうな距離だ。
これ以上は見たくない。

『嫉妬?』

ミキちゃんが僕に尋ねる。
嫉妬……?これが?
そんなはずない……だって僕は……
改めて額をくっ付けている2人を見る。
嫌だ。
見たくない。

『いい加減に認めなよ。少しでもあれが嫌だと思ったらそれは恋だよ。』

これが……恋……?
こんなの初めて知った。
そっか……これが……
恋って苦しい。
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