第2章 初恋
紡side
その後ショッピングモールで買い物をしようと歩いていると違和感を感じた。
この感じ……知ってる。
近くに幽霊がいる。
『ねぇ』
「っ!」
この声っ……
『ねぇ君……私の事視えるの?』
振り返ると黒いショートヘアの高校生がいた。
体が透けている。
周りには白い靄が見える。
「君は……」
「おい、何やってん?」
「あ……えっと……」
琉己くんが不思議そうに僕の方を見ている。
見えないフリをしないと。
でも幽霊の声が聴けたのは初めてだ。
何か言いたいことがあるのだろうか。
「ごめん!先に行ってて!直ぐに追いつくから!」
「わかった。」
琉己くんを僕から離し、その女の子の元へ向かった。
この辺の高校に通っていた女の子だろうか、知らない制服だ。
『デート中にごめんなさい。私ミキっていうの。』
「で、デート!?ちが!!!//」
慌てて誤解を解こうと大きな声が出た。
勿論、周りにはこの子が見えていない為、驚いた顔をされる。
「ば、場所を変えよう。」
人目に入らない路地裏に行き、話を聞くことにした。