第2章 初恋
紡side
「美味しかったぁ!」
琉己くんが連れて来てくれた場所はオシャレなカフェだった。
昔からオムライスが有名らしく、店内には子供から高齢者まで幅広い年齢の人がいる。
「この後近くのショッピングモールに行くか。」
「うん!その前にトイレ行ってくるね!」
食事を待っている間も、食事をしている間も意外と気まずくならずに楽しく話せていた。
琉己くんが上手く話を振ってくれて、それに対して僕がひたすら話す。
それを琉己くんが頷きながら楽しそうに聞いてくれた。
初めは怖くて無口な人っていう印象だったけどそんなことなかった。
手を洗いながら鏡を見ると自分の顔が少しにやけているのに気づいた。
顔も少し赤い。
やっぱり今日は何かおかしい。
熱でも出るのかな。
これ以上琉己くんを待たせるのは失礼だろうと席に戻る。
伝票を持って会計に向かおうと手を伸ばすとその先に伝票が無かった。
「あれ、伝票……」
「もう支払った。店を出よう。」
「え、支払ったって……僕の分返すよ!いくらだった?」
「いや、いい。それより行こう。」
「え、待って……」
琉己くんは僕からお金を貰うことなく店を出た。
後でタイミングを見計らって返そう。