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清算は断罪と共に

第16章 貴族


「そもそも、この私と言うがだから何だ?親の威光を笠に着て偉そうな事しか言わないお前如きが、私の伴侶に?何故、私がそんな苦行を強いられないといけない。冗談も休み休みに言え。」

公爵家に婿入りが苦行・・・。

「ふ、ふんっ、どうせお前とその女との婚姻は結ばれることはないわ。この私がそんな事をさせない。」
「なら、私は国を捨てればいいだけ。それは嫌でしょう?ノーチェ様。」

いつも神出鬼没な登場だな、王太子って。

そして、王太子はリューさんと同じ様に面倒そうな顔。

「シュリン嬢、相変わらずリューに惚れているのにいつも上から目線の悪態しかつけない・・・本当、学生の頃から何も変わっていないのだな。いい加減、誰でもいいから適当な相手を見繕わないといい相手は売れてしまうぞ。」
「よ、余計なお世話よ。いいから、ノーチェ様からも言ってくれればいいでしょう?私の伴侶になれと。」
「えっ、嫌だけど。」

簡潔な返事の王太子。

「嫌われているのは分かっているだろう?リューが溜口で悪態を付くのはある意味貴重だけど、嫌われている自覚をした方がいい。」
「わ、私はこんなに美人なのよ?この私が望んでやっているのに、拒否する意味が分からないわ。」
「仕方ないだろう?リューはエイリンの大きな胸が好きなんだ。あ、勘違いするなよ?エイリンのが付くからな?」

ねえ、私、何を聞かされているの?どうして、こんな場で辱めを受けないといけないの?

「その女の身体に篭絡されたってこと?さぞ、床上手なのでしょうね。」
「あぁ、否定しない。薬師としての腕も、この愛らしさも全て私が神から与えられた贈り物に違いないからな。」

自分事ながらも、他人事の様に聞いてる私。

「相変わらず、リューはエイリンにメロメロだな。」
「あぁ、それも否定しない。愛して止まない私の宝物だ。エイリンの全てが愛おしくて仕方ない。神に会うことがあれば、最大限に感謝の意を伝えたいと思う。」

私は、神に会うことがあれば、取り敢えずぶっ飛ばしたい。

「お前はどうなの?お前如きが並んでいい相手ではないと思わないの?身を引くなら早い内にして。そうしたら、私が貰ってあげるから。」
「はっ?嫌だけど?」

つい、面倒になって溜口で返してしまった。
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