第19章 欲しいもの
その後の私たちは、家族を増やし・・・諸事情もあり、あれだけ嫌がっていた貴族の身分を得ることとなった。その反動か、リューさんは、より一層に仕事に励み黒い悪魔の異名はあちこちで耳にすることとなる。
弟子たちは各地に散らばり、その弟子に教えを乞う弟子が出来て教えが広がっていった。そして、我が子も高位の薬師や魔術師として名を轟かせた。
屋敷に住み着いた蜂たちも、代替わりをしてもこの屋敷を守り蜂蜜を蓄え続けた。
世代を変えた後、二人は国を去り片田舎に移り住み静かに余生を過ごした。晩年、孫たちが二人の家を訪れた時、静かに寄り添う様に穏やかな笑みを讃えながら揃って亡くなっていた。
その家を守る様に、一族は身を寄せ村を作った。穏やかで争いのないこの村の生活は、片田舎としては近代化されていて住みよい場所となっていた。
そして、死しても尚、二人の墓は寄り添う様に建てられこの村を見守っている様だった。
アース国が苦難に悩まされる時、いつもこの村の一族が揃って尽力し平穏な国になる様に働いたと言う。
たった一つ、神様をぶっ飛ばす・・・・その願いは、死して達成されたそうだ。
おしまい