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清算は断罪と共に

第15章 食事とお酒と媚薬


「とても美味しいよ、エイリン。」

とびきりのイケメンスマイルを見せてくれたリューさん。でも、その隣りは・・・何か煩悩と戦っている様な王太子がいる。

「ノーチェ様、エイリンは私のものですからお忘れなき様に。」

綺麗な所作でラーメンを食べ、炒飯を食すリューさん。ルカさんは、炒飯のお代わりを食べている。それに張り合うのはノアさん。

「どうして・・・どうして、エイリンは薬師なんだ?こんな腕前があるのなら、料理人でいいではないか。」
「あげませんよ、私のものですから。」
「・・・知ってる、知ってるけど・・・。」

私は早々に放置。残ったチャーシューは、ルカさんたちが晩酌用にと望んだので提供しておいた。

「エイリン、明日のメニューは?」
「明日は、薬を作る日です。」

ガーーーーンッ!!!という、言葉が王太子の上に出ている様に見える。怖い人なのだろうけれど、愉快な人でもあった。

「明日はお忙しいのですよね?」
「あぁ、そうだ。夜まで戻ることは出来ない。」

ならば、お弁当を用意しよう。私が作るサンドイッチは好きでいてくれているリューさん。ホワイトソースの残りが鞄の中にあるから、クリームコロッケを作ってサンドしてみよう。

そんな事を思い描いていると、じぃっと私を見詰める王太子。でも、私は気付かないフリ。

因みに、器の中のスープまで完食していた。そんなにラーメンが・・・。今度は、違う味も作ってみよう。

「では、ノーチェ様戻りますよ。ご馳走様、エイリン。行って来る。」

王太子を伴い、目の前で消えたリューさん。忙しそうだ。


翌日のお弁当で作ったサンドイッチ。気合いが入っていたのと、楽しくなったので重箱三段ほどの量。そして、この日も王太子はお裾分けされ泣いていたらしい。

そして、同僚の文官さんたちはというと・・・奪い合って少々どころではない諍いがあったとのこと。しっかり一段分は死守しては、味わって食べてくれたリューさんは、その諍いを見て見ぬ振りしたそうだ。

で、ご機嫌で帰って来たリューさんにまたしても抱き潰されて・・・早々に白旗を上げたのだった。


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