第19章 欲しいもの
限界に挑戦でもさせられているのか思うほど、リューさんによって頭からつま先まで余すことなく愛される羽目となった。
欲を吐き出しても直ぐに復活するリューさんは、私を逃がしてくれることなく言葉通りに抱き潰した。三日三晩のこの情事によって、私は身動き出来なくなるのだけど・・・リューさんは艶々していてとても元気で楽しそうだった。
「ほら、まだ媚薬はたくさんあるから。」
声にならない悲鳴を上げた私。
「嫌か?私に抱かれるのは。」
胸元が開け綺麗な腹筋を披露され、これまた存在感を醸し出すリューさんの分身はまだまだ元気いっぱいだった。
「エイリンの体液、私に味合わせてくれ。これで、もっと愛し合える。」
意識を飛ばしつつも応じた行為に、すっかり腰を砕かれた。全てを絞りつくされたのでは?と思う頃、やっと、リューさんは落ち着いたらしい。
休暇の間、片時も私の傍から離れなかったリューさん。毎日、時間関係なく愛し合えばアッと言う間に休暇は終わる訳で・・・。
休暇後は、げっそりやつれた私の出来上がり。それに反し、麗しく男っぷりを上げたリューさん。色気をプラスした事によって、更に人気が出たのは言うまでもない。
目が合うだけで倒れる御令嬢がいるとかで、仕方ないのかなぁなんて私も思ってしまっていた。ファンが増えつつあるものの、相変わらずの愛妻家っぷりで私はヤキモチを妬くことはなかった。
数日後。後悔はしていない。身体のあちこちは痛いし、気怠さも消えない。それでも、結婚を決めたことは後悔はしていない。
ただ、媚薬は・・・そう、媚薬だけは少々後悔している。薬師として爆上がりの効能は嬉しくない訳ではない。ないのだけど、だからと言ってこうも抱き潰されるのはいただけない。
何度も逃げ出そうとしても、あの熱い瞳で私を縛り付け虜にさせるのだ。でも、そんな頃だった。リューさんが国から放り出した紅蓮の牙が解散したのだと聞かされた。
ヒーラーは腕が良く、美人ということもあり直ぐに何処かの国のお抱えとなったそうだ。魔術師は郷に帰り、専門の学園で教師を務めることとなった。
拳士は傭兵団に参加し、残りのリーダーであり戦士はあちこちで悪さをしては捕縛されたそうだ。転落っぷりが著しい。
この世界に来て、色んな人と関わりを持ってきたが本当に色んな事があったと思う。