第4章 久方ぶりの里帰り2
「すみませんが、その質問はお答えできかねます。」
これが一番無難な答えな気がする。
「何故だ?」
自来也様はジロリと私を見つつ尋ねる。
私はそのままちらっとサスケを見た。
その視線で自来也様は何か分かってくれたらしい。
ふぅぅ、と大きなため息をついた。
「お前は…恨んでないのか?イタチを。」
サスケが困惑した様な顔で私を見上げた。
その目は酷く戸惑っている様にも見える。
ここでイタチの経緯を暴露してもいいんだけど…。
でも、それやったら色々と問題になりそう。
本筋を変えちゃうと予測が困難にもなる。
はい、そうですか。って納得できるとも思えないし。
なによりも、この場でイタチの意図をサスケが知ったら、逆に崩れ落ちるんじゃないかな。
そして、そのまま二度と這い上がれなくなったら?
だって、急に生きる糧を失う様なものじゃん。
最愛の兄に最愛の両親を殺されて、その兄から悔しかったら這い上がってこいって焚き付けられてさ。それだけを糧にして漸くここに立ってる。
なら、なんて答える?
イタチを恨んでるって嘘を言う?
…なんか、それは嫌だわ。例え嘘でも。
だってイタチは悪くない。
悪いのはダンゾウであり、それを許した里だ。
私は…、