• テキストサイズ

もう一度、を叶えるために。second

第17章 持ちつ持たれつでいきましょ




先生は忍犬達を帰したあと、すらすらっと暗号で報告書を書いて、私に渡してきた。
うわ〜暗号なんて久々すぎて忘れちゃった〜。

「一言だけでしょ?普通に書いていいよ。」

ほっ…助かった。
え〜っと…。

「’’私は無事です。心配しないでください。’’?」

「’’心配しないでください。’’だけで。」

‘’無事です’’はあからさまだったか。
すらすらすら…っと。

「お願いします。」

「はいよ。」

渡すと、先生はそれをするすると畳んで巻いて小さな巻物みたいにする。
そして、空に向かってピィと口笛を吹くと、小さな鳥が先生の腕に止まった。お馴染みの伝書鳥だ。
足元には筒が括り付けられていて、そこに報告書を入れると、先生は鳥を空に放つ。
すると、火の国方面へと真っ直ぐに飛び去った。

「「おぉ…。」」

双子が感心して見ていた。
分かる。初めて見ると、ちょっとした感動があるよね。

「さて…。先生の任務ってこれで終わりですか?」

「まさか。暫くはここにいるよ。」

…え?なんで?

「嫌そうだね。」

「え、あ、いや、嫌とかではなくてですね。その…。」

いや、ほんとに嫌ではないんだけどさ、ここで何するの?って思うじゃん?
わたわたしてると、先生は少し笑う。

「冗談だよ。ここで様子を見つつ、お前の手助けをするってのが任務ってとこ。」

「手助け、ですか。」

手助けも何も…することすらないんだけどな…。

「ま、そんなお前に一つ情報をあげるよ。」

そう言って、一つの巻物を差し出してきた。
なんだろ…?禁書…?

受け取って、するすると開いて見ていくと…

「…これ…!」

驚いて先生を見ると、にっと片目が笑った。

「知りたくない?白虎のいる総本山。」

「「「知りたい!!」」」

私達の声が三人揃い、先生はそれを見て笑った。

「お前達、姉妹みたいだね。」

「へへっ。」

そりゃまぁ、この子達は妹みたいなもんですから。
私が両脇の双子をぎゅってすると、2人もぎゅって返してくれた。

/ 802ページ  
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:なごんだエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白い
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp