第11章 そうだ、野菜を贈ろう!
少しして、アンコさん達が追いついてきた。
「げっ。一人増えてるし。」
追いかけくる人が五人になってた。
その一人は多分ゲンマなる人。
黒いバンダナしてて肩口までの茶髪の人ってゲンマなる人しか思いつかない。
「後ろはもういい。塀に着くぞ。」
そう。
塀を登ってる間に、追いかけてくる側からの射程範囲が丁度ど真ん中になる。
その瞬間が一番危険だ。
「一気に行く。」
「分かった。」
ここからは全速力!
と思ったのに、警備に気づかれたのか起爆札が上から十数弾落ちて来た。
ドン!ドドン!バアアン!!
「うげっ。」
結構、強力だな。
足止めされたその数秒の間に追いつかれて囲まれてしまう。
「さあて、観念しな。餓鬼ども。」
ゲンマなる人が言う。
この人、なんかどっかで見たことある気がするんだよな…。
テレビで出てきたのかな…。
いやいや、そんな前じゃなかった気がする…。
何処だったっけか…。
あれ…?確か…。
「…あぁぁぁ!!思い出した!!」
思わず指差したら、逆に差し返えされた。
「お前!!あん時の!!」
げっ、バレたか!?
それよりも、ゲンマさんってあのゲンマさんだ。
子供の頃、アンコさん達と甘栗甘で団子食べた時一緒にいたプレイボーイ!
…あれ?プレイボーイって死語だっけか。
「知り合いか?」
隣のスキンヘッドっぽい人が聞くと、ゲンマさんは首を横に振る。
この人も黒いバンダナだわ。
流行ってんのかしら。