第11章 そうだ、野菜を贈ろう!
「俺じゃない。カカシの知り合いみたいだったからこの前見逃したんだよ。まさか、また乗り込んで来るたあな。」
「いや、乗り込んではないです。」
別に何を企んだわけでもなし。
「信用できるか!」
って言われてもなあ…。
カカシ先生を呼び出すわけにもいかないし…。
「俺がやる。」
隣からぼそりと声がして、咄嗟に手を掴んだ。
「ちょっと待って。」
「幻術の方が手っ取り早い。」
「分かる、分かるけれども。私もちょびっとなら出来るから。」
イタチがやると、強力過ぎて大惨事になりかねないし。
問答をしている間にも、じりじりと距離を詰められてる。
それを見たイタチは素直に引き下がった。
「最低でも十秒は稼げるから。」
言ったら、苦い顔された(笑)
でも。高が十秒、されど十秒よ。
「…無理はするなよ?先に上がるぞ。」
「オッケー。」
「行かせると思うか?」
チャキっと黒刀が鳴る。
「逃げ切るつもりではいますよ?」
そう言うと、ぐぐぐっと全員の足に力が入った。
今だ!!
「土遁、土波の術!!」
それを合図に、イタチは塀を目指し、私は一気に飛び上がる。
からの〜。
「火遁、火炎放射!!」
「水遁、水陣壁!!」
もくもくと煙が広がり、煙幕が出来上がる。
狙い通り!
地面に降りると同時に手を着く。
「土壌返しの術!!」
ぼこぼこぼこっと沸騰したように次々と土が掘り返されていき、足場が不安定になる。
「うわっ!」
「何これ!?」
地味だけど、立ってられないでしょ?
あとは、巻物から大型団扇を出してと。
こういう煙幕を払いたい時が多々あってさ。
じゃ〜ん、作ってみました。
「よいしょっと〜!」
飛び上がって一煽りすると、半径2mくらいは払える優れ物。
我ながら上出来ね。
お、丁度全員がこっち向いてるわ。
万華鏡発動!からの〜!
「土遁、土凌枷!」
尻餅をつく全員の手足に足枷完了っと。
にっげろ〜!