第4章 久方ぶりの里帰り2
「悪いな、サスケ。今日の修行は止めだ。」
「…なんだ、いきなり。」
「ま、ちょっと野暮用だ。」
カカシがそう言って笑うと、サスケは胡散臭そうに師を見上げる。
「な、なに?」
胡乱な目を向ける愛弟子に、カカシは内心冷や汗を流す。
まさかとは思うが、勘付いたのではないか、と胃がキリキリする様な緊張を孕む。
「…何で今日に限ってまともな嘘をつく?」
「え、えぇ〜…?」
サスケからの見当違いな疑いに、カカシは思わず脱力した。
イタチの事を勘付かれていないのならばそれでいい、と思う反面、今まで事あるごとに自分は嘘をついていたと思われていたのか、と複雑な思いに包まれた。
まぁ、強ち間違いではないが…。
「本当にちょっと急用ができたんだってば。」
信じてくれよ、と少し情けない声で、片手を合掌の形にして見せると、サスケは大きくため息をついた。
「まぁいい。あんたがいなくても修行くらい出来るからな。」
じゃあな、と言ってサスケは背を向ける。
怒り、というよりは、呆れの色が強い。
それをカカシは困った様な怠そうな表情で見送った。
「ま、勘付かれなかっただけ良しとしますか。」
彼は、気を取り直してアスマ達を追った。