第8章 暁に依頼します!
『お前、何やってんだ?』
不審に思ったらしい綱手様が戻ってきて、私と斬不斬さんとを見比べて胡乱な目を向けていた。
…主に斬不斬さんに。
『この人、ナルトの初任務で強敵になる人です。』
『頭沸いてんのかテメェ…!』
そう綱手様に紹介したら米神を押さえて頭をふりふりされ、斬不斬さんからはめちゃキレられた。
でも事実だもーん。
『私は、普通にマトモで大真面目です。』
『人を馬鹿にすんのも大概にしろよ?』
目元が更に険しくなってく斬不斬さん。
どこまで人相が悪くなるんだろ…。
いっそのこと底を見てみたい気もする。
『…おい、何で誰とも知らない奴に喧嘩を売ってるんだ、お前は。』
『エニシ、いきなり過ぎて何の話か分からないわよ。』
綱手様とシズネさんが呆れ半分引き攣り半分で、私を止めにかかる。
でも、折角会えたんだもん。どうしてもこの二人には言いたいことがある。
だけど、伝え方が分からない。
取り付く島もない状態じゃ、伝わらないし。
せめて、半信半疑くらいには持ち込みたい。
何かいい方法は…
『あなたは誰ですか?』
美少女…もとい美少年からお声がかかった。
そう言えば、私まだ名乗りもしてなかったのよね。
『私は、うちはエニシといいます。』
『ほざけ。何でうちは一族がこんな所を彷徨いてんだよ。』
喰い気味で否定されました。
私、そんなに怪しいですかね?
いくら私でも泣いちゃうよ?
『これを見ても信じられません?』
『…っ!!』
写輪眼を見せたら、顔が引き攣りました。
やりぃ。一本取ったぜ。
『うちは一族は…ガキを一人残して全滅したって聞いてたんだがな。』
苦々しい台詞には若干の悔しさが滲んでいた。
ガキにしてやられたってところかな。