第8章 暁に依頼します!
『私、さっきから嘘は一つも言ってません。』
今なら少しは受け入れてもらえるかな。
『詭弁もお世辞も言いません。だから…。』
思ったまま言ってみようか…。
『だから、信じなくてもいいですけど、聞くだけ聞いてほしいです。』
私は真っ直ぐに斬不斬さんを見た。
彼は疑り深く目を眇めて、でもあしらいはしなかった。
『斬不斬さん達は、将来霧隠れから追われる身となります。』
『…追われる身だあ?こいつは忍刀七人衆だぞ?』
綱手様の怪訝な問いに私は頷きを返した。
『知ってますけど、将来は違います。何でか、抜忍的な扱いになってました。』
『…その理由は?』
美少年の問いに、私は首を振る。
『ごめん、大分前に見た預言書のようなものだったからよく覚えてないの。』
しかも視点がナルトだからね。
詳しいことは分からないし、当時は斬不斬さんに興味なかったから深掘りもしてないしね。
『でもね、今から…そうだね…ニ、三年後のことだと思うんだけど、あなた達二人は落ち延びて波の国に渡るの。そこでゴトーだかガトーだかっていうクズ野郎の元に就く。
綱手様、大富豪のクズ野郎に心当たりあります?』
『闇の世界の帝王って呼ばれてる奴だろ?ゴトーじゃなくてガトーだ。』
『ガトーね。ガトー。』
覚えとこ。
『で。そこで、ひよっこ三人を連れて任務に来た木の葉のはたけカカシに会うんです。斬不斬さん知ってます?』
彼を見上げて聞くと、胡乱な目を向けられた。
『コピー忍者だあ…?』
『そうです。そこで、あなたはカカシさんと一戦交えることになります。更に後日、今度はあなた達二人でカカシさん達に挑むことになり、君は斬不斬さんをかばって死亡。更には斬不斬さんも、雇い主のガトーに裏切られて死亡します。』
『斬不斬さんが死ぬはずありません。あなたはこの方の強さを知らないんです。』
少し、美少年がムッとする。
ムッとしても可愛いとか羨ましいわ。