第8章 暁に依頼します!
何で、私がこの二人と仲がいいのか不思議だよね。
まぁ、偶然が偶然を呼んだ奇跡の出会いだったんだけどさ。
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私が綱手様に弟子入りして一年程経った頃、水の国に立ち寄る機会があったの。
私は、オビトに出くわすかどうかと緊張して入ったものの、全くそんなことはなく拍子抜け。
街の様子は少し寂しげな感じはあるものの、廃れてるという感じはなかった。
私は綱手様達の後を追うように、よそ見をしながらアーチ型の小さな橋を渡っていた。
その時、
ドン
体の半分が誰かにぶつかってよろけてしまう。
ドサ
あ、まずい。
相手を倒しちゃったかも。
そっちの方に視線をやってみると、なんとまぁ美少女が尻餅ついてこっちを見上げてるではありませんか。
『ごめんね、よそ見してたから。大丈夫?』
急いで手を差し伸べたら、違う手がパシンっと私の手を払った。
その手の主を辿ると、凄い人相の悪い如何にも悪人ヅラの大男が、睨みを利かせて立っていた。
『…失せろ。』
…こえぇ…。
でも、この人どっかで見たことある…な…。
んん!?
『あ!!』
『…ぁあ゛?』
あの人だよ、あの人!!
えぇと、ほら、第七班の強敵として出てきた!ほら!
名前が思い出せないジレンマ!!
『ざぶん?いや、違うぞ。いやいや、その前に、そこの君!氷の子だよね!?氷使いの…ユキ君だっけ?』
悪人ヅラの男の隣、少し後ろに控えてた美少年を指差した。
『…テメェ…!何で知ってやがる…!?』
『そしてあなたは、そのお父さん!』
『あ゛あ゛ん!?』
いや、だから怖いがな…。
リアルは超顔悪いよ(めちゃ失礼)。
『じゃなくて…。え〜っと…。波で…ざぶんで…あ、思い出した!斬不斬さん!でしょ!?』