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もう一度、を叶えるために。second

第6章 逃がさないんだから…!



まず、互いの血を…ってのを変えてもらった。
チャクラを生む臓器は幾つかあるんだけど、その一つが心臓。
私の心臓の経絡系とイタチの心臓の経絡系をワイヤレスで繋いで、一定量馴染ませる事で呪印を植え付けられる。
だから今、イタチと私の心臓にはこの太極図が浮かび上がっているはずだ。

けど、それだと私のチャクラが常にイタチに流れ込む事で、私のチャクラが枯渇するから、バルブを設けたの。
それが、私の左腕に刻まれた呪印。
これでチャクラ量を自在に調節できる。
これのいいところは、イタチがチャクラ切れを起こしてても私のチャクラを使って治療出来るってところ。
普通は患者のチャクラがなければ治療出来ないものだからね。
早々と経絡系を接続できたのは僥倖だった。
一石二鳥ってやつだ。
でなければ、今頃振り出しに戻って途方に暮れていたところだっただろうな。

死のリスクだけど、結局は避けられなかった。
主に私が。
イタチのリスクは格段に下がったのだ。
私が死ぬ間際に左腕のバルブを完全に締め切れば、リンクも切断されて免れるって話になった。
あとは瞬殺されない様にだけ気をつければ良し。
…ほんとに気を付けよう。
まぁだけど、逃げるすべは徹底的に叩き込まれたから大丈夫っしょ。

因みに呪印マークの考案者は私だ。
図案はと聞かれて、真っ先に浮かんだのがこれ。
白の勾玉は光、黒の勾玉は闇を表して、それぞれの真ん中にある丸も光と闇だ。
光の中には僅かでも闇があり、闇の中にも僅かでも光がある。
互いの性質は相反する物だけど、決して綺麗に線引きできるものでも、別々に分けられるものでもない。
つまり、完全なものなんてこの世には無いって事を表すんだって。

それを知ってから、この図柄が凄く好きだった。
なんだか、ありのままでいいんだって、完璧じゃなくてもいいんだって思えるから。
イタチもそんな風に思える日が来ればいいなって、そんな風にも思って。
綱手様に話したら「お前って奴は」って苦笑されたけどね。


私は思い出しながら左腕に意識を集中する。
バルブを開けると共に、心臓の呪印にも意識を向ける。

方角は北東方向。
距離は約30km前後。

「逃さないわよ〜。」

私は、にっと笑った。


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