第12章 婚星(よばいぼし)、君を抱きしめる ✳︎✳︎
「もっと君に近づきたい。いいか?」
目の前の瞳が大きく揺れた後、ゆっくりと俺の首に手を回し、頭を優しく胸元に引き寄せてくれた。頬にじわりと伝わる、温かい体温と速く脈打つ心臓の鼓動。とても安心できる響きだ。
彼女がゆっくり俺の髪に手を差し入れて撫でてくれる。
うむ、これはとても気持ちがいい。それを堪能していると頭上の七瀬が、フッと笑ってくれた。
彼女の心音を聴いて心地よくなった俺は、下に下に顔をおろしていく。自分の欲が最も求めている場所に辿りついた。
その泉の源泉は甘い蜜でしっとりと濡れており、中心部からはとろとろの液が今も流れ出ている。
「まだ入れてはいないと言うのに、この溢れようはすごいな」
「もう…あまり言わないで……あ…」
—— 君をもっと知りたい。近づきたい。
その思いとほぼ同時に、俺は彼女の蜜があふれる場所に舌を絡めて行った。
「…ん、ダ、メで……」
「ん、七瀬は毎回そう言うが…はぁ、本当にダメなわけでは……ないのだろう?」
「言わないで、くだ……あぁん!」
強めに蜜を吸うと、七瀬は一際大きく体をしならせた。甘い声、吐息、とろける表情…彼女から発せられる反応が、自分の欲をまた表出させていく。
「あ……」
絡めていた舌を一度引き、今度は指をそっと蜜壺に入れる。そして探るように2本の指をゆっくりと動かした。すると——
「少し締まってきた。君はこちらの方が好みか?……七瀬教えてくれ」
中に指を入れたまま彼女の背中を支えながら起こす。すると、再びきゅっ…と中が収縮した。
「また締まったな、どうして欲しいか言ってくれないと俺はわからないぞ?」
……本当は君がどうしてほしいか、検討はついている。
しかし、自分の中にある加虐心がそれを口に出すのを渋らせた。