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沈まぬ緋色、昇りゆく茜色 / 鬼滅の刃

第11章 音柱・宇髄天元



場所は再び音柱邸、天元の自室だ。
まだ陽も高い午前中より組体操のような、そうではないような動きを二人で共に確認している所である。


「宇髄!これはなかなか辛いな!」

「そ、女は大変なんだよ。隊士だろうがそうじゃなかろうが、これは共通事項だ。だからさ、然るべき時がやって来たらよく労ってやれよ」

「承知した!!」

“然るべき時” —— それは男女が交わる事を指している。
杏寿郎が天元に依頼したのは、いわゆる四十八手(しじゅうはって)だ。

体格の良い二人が昼間から模擬とは言え、そのような事をしている。これは傍(はた)から見るとなかなかに滑稽である。


「雛鶴さん、天元様のお部屋から何だかおかしな声が聴こえて来るんです〜!炎柱様がいらっしゃってるんでしょ?もしかして、お二人ってそう言う……?大変です!七瀬ちゃんに知らせなきゃ!!」

「バカ須磨!んなわけないでしょーが!!声が聴こえるってだけで、簡単に判断しないの!」

「二人共落ち着いて!きっと恋愛指南よ。炎柱様は七瀬ちゃんの事が凄く好きなんでしょ?」


取り乱す須磨に盛大なツッコミを入れるまきを。それを冷静に諭しながら二人に話しかけたのは雛鶴。
個性がバラバラだが、釣り合いが非常に取れている。彼女達は三人共に音柱の嫁だ。


「だったら良いんですけど……私、七瀬ちゃんの事大好きだから心配で」

バシッとまきをに頭を叩かれた須磨が、そこをさすりながら涙目で雛鶴に訴える。
「大丈夫よ」と自信を確信に変え、年長者である彼女は二人に笑顔を見せた。











「ねえ、ねえ。知ってる?一週間以内に、たくさん流れ星が見れる時があるんだって!」

「へえ〜素敵!彼に声かけてみようかな」


『流れ星……あっ!十一月だから、しし座流星群かな?』

一方、町中で買い物をしていた七瀬の耳に女子二人の会話が届く。

七瀬と杏寿郎。
二人の関係に変化が起きるまで、後四日 ———

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