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沈まぬ緋色、昇りゆく茜色 / 鬼滅の刃

第44章 東の緋色(あけいろ)




彼女の両頬を包み込み、そっと上を向かせる。目の前には好いた女子の顔。

「もう夜が明ける。また新しい一日の始まりだ」

「はい、今日も稽古しないといけませんね。自主稽古で気づいた事、ありましたよ。またお話させて下さ……」

その話も聞きたいが、今は君にこれをしたい。七瀬の言葉を途中で遮るのは申し訳ないと思いつつも、彼女に口付けをする。

「……明け星が出ている間は、恋人の君と触れ合う時間を大事にしたい。良いか?」

「……もちろんです」

七瀬の両腕が俺の首に回る。せっかちな己の行動を受け入れてくれる彼女が何とも可愛らしい。

両手を七瀬の頬から腰に移動した後は、胸の中に引き寄せる。それから朝の太陽が出て来るまで、俺達は口付けで互いの気持ちをいつものように確認しあった。





————朝稽古の後。

「お疲れさまでした。杏寿郎さん、そう言えば夏の流星群がそろそろ極大になります。今回は槇寿郎さんと千寿郎くんにもお声がけしませんか?」

「お疲れさま、皆で流星群の観測か!楽しそうだな」

「はい!」

いつもの毎日の中で交わす、細やかな約束。何と…夏にも流星群があるのか!

極大 —— 星が一番多く降り注ぐ夜まで後二週間だ。




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