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沈まぬ緋色、昇りゆく茜色 / 鬼滅の刃

第40章 霞柱との対戦に向けて




「いよいよ明日だな。何か他に確認しておきたい事はあるか?」

「ありがとうございます。では座学をお願いしたいです。柱の皆さんと鍛錬して気付いた事があるので、それも含めてお話出来たらと。はい、終わりましたよ」

明日、と言うのは時透と七瀬の勝負の事だ。

以前七瀬が胡蝶と宇髄の屋敷で勝負をしたのだが、その際継子に興味を持ったらしい。

他人に無関心と言った印象の彼が七瀬を気にする。これは男としていささか気になる点ではあるが、己の胸の内にだけ閉まっておこう。

そんな事を考えているとは知らない七瀬がいつもの指圧をしていた俺の左手から手を離す。

「ありがとう」と礼を言った後、彼女の髪を解くように撫でると、七瀬の口元に笑みが宿った。その表情を見て気分が良くなる。








それから彼女の部屋にやって来た。七瀬は文机に置いてある記録帳を開き、筆で書き込みながら俺に話しかけていく。

「柱の皆さんを性質毎に分けてみました。”技術”が冨岡さん、不死川さん、伊黒さん、しのぶさん…」

「ふむ」

何やら面白そうな話だ。先が気になるな!

「”力”が悲鳴嶼さん、宇髄さん、蜜璃さん、杏寿郎さん」

「ほう、俺はこちらか」

「はい、更に……」

さてこの後は何と続くのか。気になって仕方がない俺は、和綴じの記録帳を七瀬の右側から覗きこむ。

「技術と力の釣り合い。この割合が丁度良いのは杏寿郎さんと蜜璃さんと不死川さんかなぁと思いました。三人共に体の使い方も上手ですし、一瞬で型を出す瞬発力が高いかなあって」

なるほど、毎回ながらよく観察しているな。

「打ち込むのが巧いのは伊黒さんと不死川さん。特に伊黒さんは技術が本当に正確なので、力をそんなに入れてなくても一太刀が重かったです」

「それは俺も同意見だ」

「わかってはいましたが、やはり柱の皆さんは総合的に抜きん出ていますね……本当に凄いです」

書き込みが終わった彼女は筆を硯(すずり)に置き、俺の方に体を向けた。


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