第21章 可愛い君、かわいいあなた ✳︎✳︎
君の希望を教えて欲しい。
彼がいつもと異なる事を二回頼んだ —— そんな理由から思いついた問いかけらしい。
対して私の答えは……
「良いのか? いつもと同じで」
「はい……さっきの二回も普段と全然違って新鮮だったし、気持ち良かったけど、私はいつもの杏寿郎さんとの触れ合いが大好きだから」
本音を言うとあまりにも気持ちよすぎたから、癖になるかも。
そんな隠れた理由がある。だから普段と同じ事が良いって言ったんだけど……
「承知した」
「んっ」
左頬が柔らかく包まれ、撫でられながらの口付け。
二つの膨らみがゆっくりと彼の大きな掌によって揉みしだかれ、先端の尖りが太い指の腹で愛撫される。
たったこれだけの事でも、私の体は十二分に反応してしまう。
恋人のそりたつ男根が、とろとろに蕩けた秘所に侵入すれば ——
「とても気持ち良かったです……」
「俺もだ」
うん、やっぱりこれが一番好き。私がふふっと笑うと杏寿郎さんも左頬を撫でてくれながら、柔らかい笑みを見せている。
ふと彼の顔が右耳に移動した。
不意打ちの行動だったから、胸がドクンと高鳴ってしまう。
「毎回でなくて良い。また違った君を見たいから…他の体位もやってみよう」
んっ……耳元でそんな事言わないで……!
すぐにカアッと顔が赤くなった私を見る恋人は、少しだけ悪い顔をしていた。