第21章 可愛い君、かわいいあなた ✳︎✳︎
「む? ダメではなく、”いい” だろう?」
「んっ……はあ……気持、ち…いっ」
「またここにたくさん触れてやろう、声を我慢するなよ?」
「は、い……」
彼の愛撫はどうしてこんなに心地良いのだろう。
また心がふわふわと浮遊しそうな中、ちう、ちうと強めに肌が吸われる。
んっ、痛いけど……閉じていた目を開けると、姿を表すのは赤く小さな二つの花びらだ。
左右の膨らみに一つずつ咲いているそれを確認した杏寿郎さんは、口付けを落としながら下腹部へと進んでいく。
見なくてもわかる。
私の蜜壺はたっぷりと流れ出ている液でベタベタだと。
これは恋人を強く求めている証拠。太い指で割れ目をなぞられると、ビクンと体を揺らす程敏感になっていた。
「あっ、またそれをする……」
「何故だ? 先程よりもまた甘くなっているぞ」
彼の人差し指に付着した透明な液が再び舐められた。仕草は凄く凄く色っぽいけど、羞恥心が全身を支配もする。
「本当に恥ずかしいから……控えて下さい」
「う、む…君はそう言うが」
唇に乳房、尻に足首。それから私と彼を一つに繋ぐ、結合部となる秘所。それらが指で撫でるように辿られてしまうと、あっという間に快感で脳内が満たされてしまう。
「恥ずかしい事はもうとうにしているぞ?」
「うー、杏寿郎さんには敵いません」
「そうだろうか」
「はい…敵いません」
私、本当に杏寿郎さんが大好きなんだな。
恥ずかしい事も、少し困ってしまう事も、彼から受ける行為は結局全部自分の喜びに変わってしまうのだから。