第21章 可愛い君、かわいいあなた ✳︎✳︎

「あの、本当に良いんですか？」

「ああ、先程と同じで遠慮はいらん。頼む」

「はい……」

目を閉じ、ふうと息をついた七瀬は、そろりそろりと真っ直ぐ伸ばしていた右足を上げて来る。
半分まで来た所で足首を掴み、まずはそこに口付けを一つ。


「わ、もう…びっくりします」

「その顔が見たくてな。すまん」


ほっそりとしているが、筋肉もしっかりとついている恋人の足。先程口付けた足首にもう一度口付けを落とした後は、自分の左肩へと乗せてやる。


「七瀬、左もだ」

「うう、はい……」


再びそろりそろりとこちらの様子を伺うように上がって来る左足。
半分まで来た所で、同じように足首を掴み、そこにも唇を落とす。
今度はやや強めに吸い、赤くしるしを刻んでやった。


「ここは見えない所だから、構わないだろう？」

「そうですけど…見る度に今日の事思い出しそうですよ」

「ははは、そうか！ であれば…」


今しがた赤く刻んだすぐ横の場所にも、強めに吸う口付けを一つ。
すると —— はあ、と諦めたようなため息が俺の真下でつかれる。


「よし、これで準備は出来たな！ 」

「え、杏寿郎さん、今度は何……？ あ、んん」


自分の両肩にのっている七瀬の両足。腰をグッと引き寄せればまた秘所から蜜がとろりと流れ出て来た。

入り口に己の肉棒を二、三度塗りつけるように触れると、俺は真っ直ぐ小さな穴へと侵入する。


「あっ、んっ！！……何、これ！！」

「はあ、どう、だ？？ 先程とはまた……ふっ、違うだ、ろう？」


ズン、ズン、と彼女のなかを突く度に溢れる啼き声。それは先程よりも潤いが良い気がする。


「七瀬、足を、はっ……固定する、ぞ。君が滑り落ちそうだ……！！」