第21章 可愛い君、かわいいあなた ✳︎✳︎

「こうやって杏寿郎さんが頬に触れてくれるのも、凄く好きです」

「俺も君のここに触れるのは、気に入っている」


包んでいるそこを撫でると、嬉しそうに笑う七瀬が先程伝えようとしていた事の続きを話し始める。


「私、さっき天に召されるかと思いました……」

「む！ よもや、きつすぎたか？？」


慣れない体勢を頼んだ故か。
慌てた俺は彼女の腰をゆっくりとさすり始めると、何やら笑顔になる七瀬だが……。


「違いますよ、そうじゃなくて……あの…それぐらい気持ち、良かった……です」

「そうか、俺も同じだ」

「良かったあ」

「七瀬は、やはり可愛いな」

ぎゅうと華奢な体を抱き寄せると、自然に自分の背中に回る両腕。
何気ない行為だが、いつも癒されてしまう。


「えっ、杏寿郎さん……まだ固い ？？ 」

「う、む…そのようだな」


密着した七瀬の腹に己の肉棒が当たっているのだが、ピンと勢いよく反り上がっているのだ。


「あの……私、今日は非番……です」

「ああ、知っている」

「ですよねー……」


「………」

「………」

二人の間に訪れるのは沈黙だが、けして気まずい物ではない。
よし！ ここはやはり俺が言うべきだ。


「七瀬」

「はいっ、んぅ」

彼女の背中に回している両腕の内、右腕だけを離した俺は、恋人の左頬を撫でながら口付けを贈る。
ちう、ちう、と吸い上げるとこぼれるのは、可愛くも艶やかな吐息だ。


「また君と気持ちよくなりたい。良いか？ 」

「ふふ、私も杏寿郎さんと同じです」

「そうか！ であればやってみたい事があるのだが」

「？ やってみたい事、ですか？」


瞬きの回数が多くなる七瀬に贈るのは、勿論口付けだ。