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私の異世界転生生活

第12章 もう一つの選択肢


「アオイが死ねば何の問題もないわ?だって、女神の代理人は黒髪黒目の女だもの。見た目の変化なんて、魔法使いの私なら意図も簡単。」

またしても、目の前で見た目が変わった。黒髪黒目の、私が昔から知っている姿だった。

「女神の代理人を生餌にすれば、私は不老不死になれるの。だから、忌々しい女神に選ばれた貴女の心臓、私に頂戴?」

私を車道に突き飛ばした時の、あの笑顔を思い出し背筋がゾクッとした。

「女神様も悪趣味なんだな。選択肢を間違えていたら、私はこんな気が触れた女の餌食になっていたと言うことか。」
「誰が気が触れたよ。今の言葉、撤回しなさい。私のペットの分際で。痛いお仕置きするわよ?王族には魅了は効かないけれど、他の魔法が効かない訳じゃないんだからね!!」

私はルー様を見た。確かに、表情が変わらない魔法は効いている。ウッカリしてた。

「生憎、女神様はカオリを気に入っている。元より、愛するカオリに危害を加えるつもりはないし、例えお前でもその願いは叶わない。」
「どうして、そんな事が分かるのよ。」
「女神様は、カオリに過保護だからな。」

確かに・・・ただ、どうしてそこまで気に入られているかは分からないけれど。

「女神様、聞いているのでしょう?私に怖がりなカオリの目の前で、血みどろ劇場を開催しろとでも言われるのですか?もし、それが原因で嫌われたりすれば、私は一生女神様を恨みつつカオリを物理的に囲い込みますよ?」

何か、物騒な話しになってる。物理的って・・・。

「・・・全く、神である私を脅すとはいい度胸をしている。」

そう発したのは、王妃様だった。と言っても、王妃の身体に憑依した誰かなのだけど。

「すみません、正直者ですので。それで、如何致しますか?本音を言えば、私の手で葬り去りたいのは山々なのですがね?」
「分かった。待っておれ。」

女神が憑依した王妃が溜め息をつき、赤女を見た。

「一介の魔法使いが些かお痛が過ぎた様だな。貴様には余りあるものだ。」

あ、赤女がその場に倒れた。

「魔力を全て奪っておいた。もう、悪さは出来ないだろう。私の可愛い娘を大事にしてくれたが故の礼だ。」
「娘?」

思わず、私は女神様の声を復唱してしまった。

「前世は、私の娘だった。人間の王子と恋に落ち、神の身分を捨てた。生まれ変わっても、そなたは私の娘に変わりない。」
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