完結
[ID] 76854
[作者] 翡翠[概要] 異世界転生した物語
[ジャンル] 完全創作[ページ数] 84
[PV数] 48550PV
[しおりの数] 28
[作品公開日] 2022-05-08
[最終更新日] 2022-08-07 17:49
[拍手] 495
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[作品説明]初めは中学三年生の春。二度目は高校二年生の秋。
でも、少し安心していたんだ。理由は、親の転勤と大学進学の為に他県に引っ越したから。これで、私をライバル視するあの【赤女】と関わらなくて済むのだと、これからの未来が楽しみだった。
入学して直ぐ仲良くなったクラスメイトの男子と付き合う様になって、初めて怯えなくていいカップル同士の日々を満喫していた。
素直に言って、毎日が楽しかった。一緒に課題をしたり、一緒に出掛けたり。なのに、何で?
喫茶店で私を迎える彼の姿を見て、私は二度体験したあの日の事が重なって見えた。席に着く私に、暗い表情のままの彼。
そんな彼に私はこう言った。
「おめでとう。」
勿論、私のなけなしの強がりの言葉だ。彼はそんな私の言葉の意味を理解出来ずに、戸惑っている様子。だから、更に言葉を続けた。
「貴方はこれからはコソコソしなくていいし、私も浮気者と縁が切れて嬉しいわ。・・・さよなら。」
全てバレていたのだと認識したらしい元カレは、項垂れる様に俯いた。その時、新しい来客を知らせる音が店内に響く。
視界の端に入って来たのは赤色。やはり・・・私は席を立ち、こちらへ近づいて来る赤色を素通りしては店を出た。
すれ違いざま私に話し掛けてきたけれど、私は見向きもしなかった。本当なら一発くらい殴っても良かったかもしれないのに。赤女は私の醜態を晒すのを楽し気に見るのだ。
だったら、意地でも無視だ。悔しくて仕方ないけれど。目的なんてなかったが、私は店を出て足早に歩き出した。が、そんな私の目前に回り込んで来た赤女。
内心驚いたけれど、それを擦り抜け歩みを止めない。赤女がそんな私に挑発する言葉を投げかけて来る。それでも、無視して足を動かしていると・・・。
気が付けば、車道に投げ出されていた私の身体。そんな私に近付く大きな車。確かに、見た。赤女がニヤリとしてこちらを見て笑っているのを。
そして急ブレーキの音と、大きな痛み・・・更に、誰かの叫ぶ声が聞こえた気がした。
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