第4章 隣の芝生は青く見える
そんな甘々な時間を過ごしていたのだけど、約束のお茶会がやって来ました。胃に穴が空きそうです。そして中庭の用意されたテーブルには、見覚えのある二人の令嬢と王妃と同世代の女性二人と王妃が既にいました。
遅くなったことに謝罪すると、王妃は先に五人で始めていたのだと教えてくれた。何となく気まずさを感じてしまうのは、王妃以外の四人の雰囲気が固いものだったからだ。
一体、どんな話しをしていたのだろう?
私は王妃の直ぐ隣りに席を設けてくれ、何も考えずに座った。が、二人の見覚えのある令嬢の表情が変化したのを見て思い出した。
あの魅惑のボディをした騎士の女性たちだと。ということは、王妃と同世代の女性はこの二人の母親というところか。
似ているしね。
でも、先に始めていてそれもこの五人でって、どんな会話をしていたのやら。怖いもの見たさといいますか、でも、実際怖いので聞けません。
王妃が選び、振舞ってくれた紅茶もクッキーも上品で美味しい。私以外が会話しているけれど、たまに振られる質問?に適当に返事するのみ。
この世界の貴族間のお菓子事情は上品で美味しい。でも、たまにはB級グルメ的な何かを所望したくなるのは仕方ないよね?
ルー様にお願いしてみようかなぁ?食事だって、美味しいんだけど毎日だと飽きると言うか。贅沢な悩みなんだろうけれどね。
「それで、ルーチェスとはその後どうなのかしら?」
「親しくさせて頂いてます。」
今朝だって、お目覚めのチューいっぱいされたし。まぁ、そんな息子の恋愛事情なんて細かくまでは興味ないかもしれないけど。ルー様は王子だけど、キス魔で乙女です。
「ルーチェス様は、誰にでもお優しいお人ですから。」
「そうですね。騎士の訓練の時も、よく気遣って頂いておりますから。」
イヤミだったらしい二人の令嬢だったが、私がそんな意図に気付かず流してしまったことに王妃は微笑み、令嬢の母親たちは腹の中で歯ぎしり中。
会話からフェードアウトしては、静かに皆の服装をチェックする。王妃は流石王妃らしく、美人でドレスも似合っていて素敵です。
令嬢たちはあのお胸を強調したドレスを着ていて、その母親二人も若づ・・・コホん。大変、前衛的なお衣装です。私はルー様が用意してくれたあの瞳と同じ色の一式で武装しています。そう、一式です。
一体、幾らしたんだろう?