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転生侯爵令嬢の溺愛物語

第2章 デートのお誘い


そして、早くも昼休み。いつもの場所で、バターロールに挟んだたまごサンドを握り締めたまま呆然としていた。

そう・・・王子は、まるで親の仇かのような鋭い目つきで私を睨んでいた。神経がガリガリと削られていく。

周りは多種多様。まぁ、ギャラリーのことはいい。ただ、あの王子はどうにかして欲しい。授業中でも、私を睨んでいるのだから。先生だって、相手が王子だから何も注意しない。

授業なんだから、先生の話しを聞こうよと思う。言えないけど。というか、話しかけたくない。

「食欲ないのか?」
「えぇ、まぁ・・・。」
「では、その手にしているものは頂こう。」

あれ?誰かに話しかけられて適当に返事してしまったけど・・・頂こう?隣りを見ると、シェラザード様がたまごサンドに噛み付いて咀嚼していた。

「シェ、シェラザード様っ!?どうしてここに。」
「アメリアの顔を見に来た。」
「えっ?顔?私の顔を見るより、ご自分の顔を見た方がもっと有意義だと思いますよ?」

えっ、何で近寄って来るの?

「男の私などの顔より、アメリアの方が見応えがある。」
「ご謙遜を。」
「謙遜しているのは、アメリアの方だろう?」

いえ、事実を言ったまでですが?

チラッと見ると、あの綺麗なアメジストの瞳と視線が交わる。

「そうだった。ロイドのことなら、気にせずともいい。」
「えっ?」

ひょっとして、何か言ったの?

「それはどういう・・・。あ、シェラザード様っ!?」

私の手を掴み、たまごサンドを食べつくした。そして、私が口を付けたスープを躊躇なく口にする。

「あぁ、やはりこれも美味いな。で、パンはあれで終わりか?」
「あ、いえ。」

最後の一個として、ローストビーフが残っている。これもおススメであるくらい美味しく出来ている。

「いいのか?私が貰っても。」

いや、催促したよね?という目を向けると、ほんのちょっぴりだけ申し訳なさそうな顔をしたけれど食べないという選択肢は無い様だ。

「あの・・・ちゃんと、食事を取っていらっしゃいますか?」
「まぁ、それなりにな。」
「ちゃんと食べないと、また倒れますよ?」

あの日よりはマシに見えるけれど、まだ本調子には見えない。

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