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転生侯爵令嬢の溺愛物語

第2章 デートのお誘い


へロヘロになったまま、帰宅しては家族で食事。味なんて覚えていない。その後、湯あみをしてから意を決して手紙を開封した。

イケメンな上に達筆。今の私には、王子の姿は霞んで見えない。

文面は至ってシンプル。四日後の週末、街の散策デートのお誘いだった。意図は分からないままだけど、街の散策くらいならと拒否しな方が良いのかもしれない。

出掛けるのならば、家族には伝えておいた方がいいと思い、お父様の書斎を訪ねる。物腰が柔らかく知的でイケメンの父親だ。母親も美人。

「お父様、アメリアです。」
「入っていいよ。」

柔らかい声が聞こえ、私は書斎に入った。

「どうかしたのかい?」
「あの・・・これを。」

手紙を読んで貰った方が早い。そして、お父様は固まっていた。

「あの・・・反対でしょうか?ならば、お断りを・・。」
「アメリアはいいのかい?」

何がいいのかなんて、明確に言われなくても分かっている。

「はい。」
「そうか。気を付けて行ってきなさい。」

反対されなかった。もし、反対されたなら断る理由になるかもと思ってみたけれど。

自室に戻り、フト思い出す。

アシュリー様が教室に来てからのことを。明日、何か学園に行くのが不安。王子、何か凄く凹んでいたみたいだし。

嫌だな・・・明日、行きたくないなぁ。

と、思っても当たり前に朝が来る。

溜め息満載で到着した学園前で、馬車を降りる。すると、目の前にアシュリー様がいた。

「おはよう。アメリア嬢。」
「お、おはようございます。アシュリー様。」
「シェラザードと呼ぶように、言わなかった?」

笑顔が怖い。慌てて言い直すと、それ以上は何も言われなかった。

「誰かお待ちでしたか?あ、ダグラス様?」

ダグラスとは、ロイド王子の家名というかこの国の国名だ。

「その名を、アメリアの口から聞きたくないな。」
「えっ?」

今、アメリアって呼び捨てしたっ!!

「つい、呼び捨てにしてしまったが、これからはそう呼んでもいいだろうか?」
「ど、どうぞ。」

断わったら何か、後が怖い。

「あぁ、アメリアを待っていた。」
「えっ?あ、昨日の事でしょうか?」
「お父上に報告はしただろう?」

了承を得られたことを告げると、ほんの少しだけ微笑んだ。あ~、イケメン。

「それなら良かった。では、教室まで送ろう。」
「恐れ入ります。」

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