第14章 狙われた貞操
「あの・・・シェラザード様。シェラザード様が助けて下さったのですよね?」
「あぁ。」
「えっと・・・詳しい状況をお聞きしても?」
私に眠り薬を嗅がせたのは主人公。そして、男性の声は主人公の家にいる下男のものだった。主人公に頼まれて、断われなかったらしい。
そして、眠った私を運んでは、王子に私を襲わせるのが目的。その為に、シェラザード様を私から引き離したのだった。
うん、まぁ、そこまでの経緯は分かった。それで、私はどのようにして助けられたの?
「アメリアには、常日頃から私の魔力を纏わせている。」
「シェラザード様の魔力?」
「そうだ。その魔力を辿れば居場所を追える。その為の抱擁だったり口付けだったりする。」
そうだったんですかっ!?不測の事態に備えて?全然気付かなかった。
「それと・・・先に謝っておく。すまなかった。」
「えっ?シェラザード様は私を助けて下さったのですし、いきなりこの部屋で目覚めたことは驚きましたけど。」
「いや、そうではない。その・・・言いにくいのだが、アメリアの初めてを貰った。」
えっ?初めてって、何?
「意識のない時に悪かった。その・・・体の方はどうだ?」
「へっ?あ、私・・・服、着てない。えっ?冗談ではなく?本当に?」
「すまない。」
全然覚えてない。でも、そう言われたら・・・体が怠い。そして、お互いに裸体だったっ!!!
慌ててシーツを被る。そんな私をシーツごと抱き締める。
「そう、そうだ、服を着ます!!」
「分かった。その後、ゆっくり話そう。」
居たたまれない中、公爵家のメイドさんたちにドレスを着せられた。どうしてか、私の体にピッタリなサイズの見覚えのないドレス。
シェラザード様が用意してくれていたらしい。本当に、シェラザード様の情報網恐るべし。
そして、身体は思った以上に違和感ありまくりだった。どんな羞恥プレイだと思ったのが、身体のあちこちに付けられた所有印のキスマークの数々。
お願いだから、メイドさんたちそんな微笑ましそうな眼差しを向けないでください。
しかし、初めてが全然覚えがないなんて・・・。
そして、侯爵家には知らせがいっている様で安心した。きっと、この経緯も話しは通されているのだと思う。
「では、話そう。」
朝食と昼食を合わせた食事の後、シェラザード様の自室で説明を受けることになった。
