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転生侯爵令嬢の溺愛物語

第14章 狙われた貞操


「では、私たちはこれで失礼します。」
「あぁ、世話になったね。また来てね。」

変わり身早っ!!もう笑顔だし。それに、生徒会役員の人たちは、何も気にしていない様に見える。

放課後の静かな廊下。

「すまなかったな、付き合わせたばかりに。でも、これであの方が、ただ穏やかな人ではないと分かっただろう?大丈夫か?手が震えている。」
「ごめんなさい。突然で驚いてしまって。」
「そうだな。だが、国王になるのなら、あれくらいじゃないと務まらない。」

増々、王族なんて無理です。

でも、シェラザード様さえいてくれれば大丈夫。気を取り直して、荷物がある教室へと戻る。

すると、何故か王子だけが教室の前で立っていた。主人公は帰ったのか、姿は無かった。

「シェラ、少しだけでいい。話せないか?」

シェラザード様が私を見たので、教室で待っていると言った。二人は連れ立って、何処かに行ってしまった。

でも、この時の判断は間違っていたのだと気付いた時には遅かったのだと思った。突然口元に背後から押し付けられたハンカチ。

私は一瞬で意識を手離した。意識が薄れゆく中、主人公の声と男性の声が聞こえた。

「早く連れて行って。後はロイド様との夜伽を済ませば何もかも上手くいくから。」

助けて・・・シェラザード様。

「シェ・・・。」

助けを求める声は、最後まで紡がれることはなかった。でも、私の体のあちこちに感じる温かい感触。

これは、何だろう?


どれ程、意識を手離していたのか分からない。でも、確かに感じる温かい感触は覚えのあるもの。

私の額に触れる確かな甘さに、私は笑みを浮かべた。

「もう少しだけ、このままで。」


目を覚ました時に視界に入って来たのは、見覚えのない場所だった。高級な広いベッドに寝かせられていた私。

慌てて起き上がれば、頭がクラッとした。そして、隣りにいる人に気付き私は悲鳴を上げそうになった。

「っ、えっ、ここ・・・。」
「おはよう、気分はどう?」

私は声にならない声を上げては、その人に抱き付いた。そんな私を抱き締めてくれる力強い腕。

が、暫くして・・・今の置かれている私の状況に疑問を浮かべる。

「あの・・・私、どうしてここに?」
「それは、アメリアが私のものだからだろう?」

よくわからない理由を口にされました。


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