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転生侯爵令嬢の溺愛物語

第11章 初めてのお部屋デート


「ほら、アメリアも食べろ。」
「昨日、散々食べたのでこの味は飽きてしまって。」
「この味は飽きたと言うことは、他の味もあると言うことか?」

突っ込みが入り、私は口を手で塞いだ。何で言ってしまったんだろう。私って余計なことを・・・。

「アメリア様、メアリーです。先程のお菓子ですが、間違えてお持ちしてしまい申し訳ございません。こちらの方でございました。」

そして、メアリーの手には、きっと甘い方の味付けされたポップコーンなのだろう。だから、どうしてポップコーンを選んだの。他にもあったでしょ。

「あ、もうお召し上がりになられました?キャラメル味の方は如何致しましょう?」
「喜んで頂くよ。」

代わりに返答したのは、シェラザード様だった。そして、直ぐに口に入れている。メアリーも、微笑ましそうに見ているし。

「ほうっ、こっちは甘いのか。」

あ~、もう土下座したい。この世界にも、土下座は存在するらしい。

「アメリアも食べろ。ひょっとして、こっちも飽きたのか?」
「いえ、私、そこまで食いしん坊ではないです。」
「ならば、口を開けろ。」

あ、突っ込まれました。うん、キャラメル味美味しいです。そして、ポップコーンは直ぐに完売しました。

「それにしても、流石アメリアだな。書物が多い。見ても構わないか?」
「はい。どうぞ。」

本棚でパラパラとめくっているシェラザード様。そんな何気ない姿も素敵です。

「ふむ、これは面白そうだな。アメリア、これを借りてもいいだろうか?」
「いいですよ。」
「色んな系統を読んでいるんだな。だから、博識なのか。」

いえ、前世の記憶です。

「他にもお気に召されたのがあればどうぞ。」
「そう、だな・・・その時は、この部屋に読みに来てもいいか?」
「分かりました。いつでもどうぞ。」

シェラザード様も勉強家だし、博識だと思う。純粋に。また、ソファーに戻って来ては隣りに腰を下ろした。

私の方に向くと、髪を撫でられる。

「では、そろそろ恋人としての時間だ。ほら、私の腕の中に来い。自室なら構わないだろう?」

両手を広げてウエルカム状態。でも、そんなことを言われても、気軽になんて・・・。

「へっ?ひゃあっ!?」

突然浮いた身体は、シェラザード様の膝の上へ。魔法?

シェラザード様の腕に抱き入れられ、身体を寄り掛かるように靠れさせられる。
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