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転生侯爵令嬢の溺愛物語

第11章 初めてのお部屋デート


「二度目の自室訪問だな。」
「そう言えば、そうでしたね。あの時はお見舞いありがとうございました。お花嬉しかったです。二度も頂きましたし。」
「大したことではない。それより、何故、突っ立ったままなんだ?私の隣りに来い。」

何かソワソワしてしまって、確かに突っ立ったままだ。そこへノックと共に、メアリーがお茶とお菓子を持って来てくれた。

お皿の上に乗せられたポップコーンを見て、何故それを持って来たのとメアリーを見る。でも、笑顔を返されただけだった。ちなみに、寄りによってバター醤油味である。

紅茶の相棒としてどうなの?取り換えて貰おうと思ったけれど、視線はそれに既に釘付けになっていた。

「それは、菓子なのか?」

そりゃあ、気になりますよね?ですよねえ。通常の玉蜀黍ではなく、ポップコーン専用の玉蜀黍を見つけた故の産物である。

通常は、家畜の餌になるらしい。どう説明すればいいか分からず、そのお皿を持ち上げた。迅速に他の何かに取り換えて貰えばなかったことに・・・そして、今の私の腕を掴んでいるシェラザード様。

「それを持って、どうするつもりだ?」
「シェラザード様、10分ほど記憶を失くされたりしませんか?5分でもいいです。」
「そう慌てなくとも、根掘り葉掘り聞き出したりしないから安心しろ。それから、記憶も失くしたりしない。それで、これはこのまま食べるものなのか?」

私は諦めて、お皿を置いた。メアリー、材料が家畜の餌のこのお菓子を公爵家の御曹司に振舞うってどんな価値観しているの。前世が一般市民の私でも、それはないと分かるのに。

「どうか、どうか・・・処罰しないでください。出来心なんです。決して、シェラザード様を軽んじているとかそういうのではないんです。」
「アメリア、私は食べ方を聞いただけだ。処罰することも、全て説明させようとも思っていない。秘蔵なのに、私にわざわざ用意してくれたのだろう?」
「そ、そんないいものではないんですぅ。」

兎に角落ち着けと、私を宥めるシェラザード様。私は半分涙目だ。こんなことで嫌われたくない。

「それで、このまま食べても?」
「はい。大丈夫です。」

シェラザード様が一粒摘まんでは、口の中に入れた。一噛みすると、吃驚した顔をした。

「美味い。癖になりそうな味だ。」

気にってくれたのは良かったけれど、お願いですから誰にも言わないで。
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