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転生侯爵令嬢の溺愛物語

第10章 主人公登場


あの後、どんなやり取りがあったのか私は知らない。それでも教室の中まで送ってくれ、直ぐに始まった授業に安堵した。

でもね・・・今度は、主人公なんだ。あ、睨まれているんじゃなくて、チラチラ私に視線を向けて来る。呪いでも掛けられている気分になる。

宇宙人改め主人公は、まさかと思うけど謝罪しようとしているのだろうか?もう、ほんっとーに!!勘弁して欲しい。

次の休み時間。勢いよく立ち上がった主人公。でも、王子に腕を掴まれて引き留められている。周りもハラハラしている様だ。

視界の端に・・・シェラザード様だっ!!

何やら揉めている二人を擦り抜けて、私の隣りに腰を下ろした。えっと・・・過保護?

「抱き締めようか?」
「へっ?」

そんな真顔で、恥ずかしくなることを言わないでください。耳まで真っ赤になったらしい私を見ては、シェラザード様は微笑ましそうな表情を浮かべていた。

「み、魅力的なお誘いですけど、場所は選びたいです。」
「そうか。例えば・・・馬車の中とか?あぁ、アメリアの自室とかでもいいな。勿論、私の自室でも構わない。」

って、近いです!!

シェラザード様のお陰で、主人公たちは大人しくなった。王子たちと共に、何やら話しをしているみたいだ。

「気がそぞろだな。直ぐ傍に私がいると言うのに。」
「ご、ごめんなさい。」
「さて、どうしようか。・・・許して欲しいか?」

コクコクと頷くと、いきなり抱き寄せられれば目の前にシェラザード様の顔。触れるだけだったけれど、教室の中での口付け。

周りから何とも言えない声が上がり、肝心の私は・・・両手で顔を覆って悶絶中。

「どうして、その可愛い顔を隠す?」
「ダメ、ダメです。もう無理ですから。恥ずかし過ぎて死んでしまいます。」
「ふむ、死なれるのは困るな。近い未来に婚姻を結んで、私の花嫁になるのだから。」

その後、放置プレイで真っ赤な私を残して、戻って行ってしまった。この恥ずかしさ、どうしてくれよう。


放課後。また、油断した~っ!!その油断は、私だけでなく王子も同じだったのかもしれない。

そう、今、目の前で全力で謝罪している主人公。誰か何とかして!!この宇宙人に一から説明して貰えないかな?

でも・・・そろそろ自分で何とかしないといけないのだろうな。例え、泣かせることになったとしても。
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