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転生侯爵令嬢の溺愛物語

第10章 主人公登場


「謝罪は受けます。でも、もう関わらないでください。本当に、お願いします!!」

私も頭を下げた。勿論、全力で!!でも、顔を上げたら・・・酷い、どうして?なんて目をウルウルさせて言われてしまって。途方に暮れるしか仕方なかった豆腐メンタルの私。

「許してくれるまで、何度でも謝りますから。だから、仲直りしてください。そして、私とも仲良くしてください。」
「その頭では、理解出来なかったようだな。」

主人公はシェラザード様の声に反応して、小さな悲鳴を上げた。私でも怯むくらいの、怒りのオーラが出ている。

「ロイド、申し開きはあるか?」
「・・・・・・ない。」

シェラザード様は、ロイド様に興味は失くしたようで主人公に視線を戻した。

「貴様の家に、抗議しておく。」

とうとう、女性に向かって貴様呼びになった。それほど、シェラザード様は激怒している。

「アメリア、来い。」

私は慌てて鞄を握り締め、シェラザード様の後を追った。一瞬だけ視界に入った王子の顔。どうして、貴方が傷ついた顔しているの。

馬車に乗り込んでからも、ずっと外を見て何も話そうとしない。空気もピリピリしている。

「私が怖いか?」
「こ、怖いです。今のシェラザード様は。でも、それでも大好きです。」
「正直者だな。こんな時でさえ。・・・悪かった。怯えさせてしまったな。」

走る馬車の中、私はいきなり立ち上がってシェラザード様の首に抱き付いた。そんな私の行動に最初は驚いていたものの、少し笑って力を抜いては私を受け入れてくれた。

「馬車の中では、私の膝の上がいい様だな。これから指定席にするか?」
「き、今日は特別ですので。」
「遠慮するな。こうやって、抱いていてやる。そうすれば、直ぐに口付け出来る。」

飛び上がりそうになったのを、腕で制された。逃げられないと言うか、逃がせてくれない。

屋敷に到着するまで、色々と撫でまわされたのは言うまでもない。でも、シェラザード様の腕の中は安心出来るから大好きだ。
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