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転生侯爵令嬢の溺愛物語

第10章 主人公登場


今回助けてくれたのは双子でした。2度目の一族揃ってのランチの約束だったから。でも、まさか双子が誘いに来てくれるとは思わなかった。

「アメリアはダメだよ。」
「シェラのものだから諦めて。」

可愛らしい桃色頭だけど、高身長だ。流石の主人公も怯んだ様子。そして、助けて貰える様に王子に頼りなさげに視線を向けている。

肝心の王子は、初めて知ったけれど、この双子が苦手らしい。助力を求める主人公の視線を、気付かないフリ。

「・・・相変わらず。」
「シェラは先生に呼ばれてるんだ。だから、俺たちが迎えに来た。先に食堂に行っててって。」

しょんぼりしている主人公をその場に残し、私たちは学食へと行った。まだ、誰も来ていない。定位置らしい場所に座り、皆が来るのを待っていたのだけど・・・。

突然私の空いている隣りの席に、主人公が陣取った。そして、王子や他の攻略キャラに笑顔で空いていることを知らせている。

私は頭が痛い。だって、双子は料理を取りに行って、座席には私一人だったのだから。

私のことは兎も角、この席はシェラザード様一族がよく使う場所らしい。だから、基本は誰も選ばない。ということで、ハラハラした顔でこっちを見ている人たちがいる。

もう、勘弁してくれ~っ!!!心の中で全力で叫んでいた。もう、泣きたい。

その時、少し離れた場所から聞き覚えのある声がした。声が聞こえた方を見ると、ルーズベルト様とシュバイツ様が手招きしていた。

席を立つと、咄嗟に主人公に腕を掴まれる。

「私たちと一緒に食べましょうよ。折角、クラスメイトなんだから。ロイド様とのことだって、きっと何か誤解しているだけだと思うの。だから、その誤解を解いて仲直りした方がいいよ。ね?」

こいつ、宇宙人か?ごめんなさい。つい、口が悪くなってしまいました。

「ごめん、遅くなった。」

全身を包み込むかのように、私を主人公から引き剥がしてくれたのは少し息を切らしたシェラザード様だった。

シェラザード様の顔を見て安心したのか、つい・・・そう、つい涙を溢してしまった。

周りは騒然として、ヒソヒソと主人公を非難している声が上がる。周りの人たちは知っている。幼い頃から私が王子に付き纏っていたことを。

でも、今はその気持ちは無いと言うことも。王子に対して一つの区切りをしたのだと認識され始めている。


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