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転生侯爵令嬢の溺愛物語

第8章 縁者の結束


「それくらいにしてやってくれ。アメリアが目を回す。」
「すまない。でも、我々は味方だ。きっと、シェラはアメリアを嫁にするだろうことは決定だろうし、ならば、全力で守るよ。」

皆が優しい。私・・・死ぬのかな?

無言で私の頭を撫でようとしたアラン様が、シェラザード様にその手を払われていた。こういうところも天然?

「楽しそうだね。」

ニコニコして声を掛けて来たのはトルン様だった。

「ダグラス様は交れませんよ?我々一族の顔合わせですから。」
「ツレナイなぁ、ルーズベルトは。それに、トルンでいいと常々言っているのに。」
「その度に、お断りしています。」

何か・・・仲悪い?いや、笑ってるし・・・敢えて?

「婚約したんだね。シェラのその手際の良さに驚かされたよ。流石、私のシェラだ。」
「お祝いのお言葉ありがとうございます。それと、私はトルン様のものではありませんので。」

この前と同じやり取り。

「それで、サザライト嬢はいつになったら、生徒会室に遊びに来てくれるのかな?」
「えっ?大丈夫ですよ?ちゃんと社交辞令だと分かってますから。」
「そうじゃないんだけどな。遠慮しないでいいんだよ?」

すると、周りの空気が変わった気がした。皆の顔が真顔になっている。あんなにニコニコしていたフラン様も、優しい微笑みを浮かべていたルーズベルト様でさえも。

シェラザード様だけは、いつもの真顔。

「はいはい。お邪魔虫は退散するよ。でも、サザライト嬢。もし、気が向いたらいつでも遊びにおいで?」
「だから、大丈夫ですよ?これでも一応は貴族の端くれですし、社交辞令だと分かってますから。」

ん?今、シェラザード様が吹き出した?何故?

「という訳です。トルン様、アメリアを誘うのは諦めて、私だけで我慢してください。」
「あ~、ツレナイなぁ。それに、シェラの一族は結束が固いな。相変わらず。」

どうやら、結束の固さは相変わらずなのらしい。

兄王子を見送った頃には、皆の表情は戻っていた。

「アメリアはそのままでいてね?」
「えっ?あ、はい。」

どういう意味だろう?そして、アラン様はいつまでもシェラザード様に払われた手をさすっている。そんなに痛かったのかな?

チラッと隣りにいるシェラザード様を見れば、優しく頭を撫でてくれた。うん、シェラザード様が機嫌が良さそうだから気にしない。



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