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転生侯爵令嬢の溺愛物語

第5章 王子の中の王子


意味が分からず、頭に?マークを浮かべる私。

「で、他には?」
「あの可愛い令嬢たちは、御退場願ったよ。」
「そうですか。」

えっ、それだけ?と言うか、どうして私の状況を知っていたの?

「シェラ、今日はもういいよ。ありがとう。いい話しも聞けたし、続きはまた今度頼むよ。」
「分かりました。」

席を立つと、私の元に来た。そして、私を見ている。

「怪我はないようだな。」
「はい。」
「ならいい。では、失礼します。」

私は無表情のままシェラザード様の後を付いていく。最後に、王子にお礼を告げてから。

「泣いたりしなかったのか?」
「えっ?あ、大丈夫です。」

貴方の無言の圧に比べたら・・・。確かに、突き飛ばされたことには驚きましたけれど。

でも・・・

「本当は・・・少しだけ、怖かったです。」

この世界で初めての経験だったし、鬼の様な顔を向けられればね?そんなことを思っていると、突然、抱き締められた。

「えっ?あ、あの・・・。」
「泣いていい。」

私は目を見開き、そして・・・シェラザード様にしがみついて涙をこぼした。本当に氷の貴公子だけど、とても優しい。

涙が止まり、シェラザード様にお礼を言う。

「気にするな。また、何かあれば私の胸を貸そう。では、教室まで送ろう。あ、それと昼休みは迎えに行く。」
「はい。」

短く返答すると、シェラザード様は微笑んだ。思わず、その顔に見惚れてしまう。


そして、あの蝶たちはあの後、直ぐに学園から姿を消した。第一王子の行動力半端ない。

若干、その行動力に引きつつも、悪い人ではないのだと思っていた。でも、シェラザード様に言われたから王子自ら助けにって・・・。

シェラザード様も恐るべしっ!!


お昼休み。いつもの場所で、二人で食事。

「今更だが、いつも四個のパンにスープ。一人でこの量を食べ切れていたのか?」
「えっ?あ、が、頑張れば・・・。それに、大きくなりたくて・・・。」
「大きく?確かにアメリアは小柄だが、特別大きくなりたいと思う要因は何だ?」

身長も後5cmくらいは欲しいし、そ、その・・・あの舌っ足らずな令嬢の様に立派な・・・。

「色々です。」
「色々か。アメリアは小柄だが、いい体をしていると思うがな。」

思わず吹き出しそうになった私。今、いい体って言った?




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