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転生侯爵令嬢の溺愛物語

第31章 溺愛というなの欲


学園に到着する頃には、すっかり体調も回復。

「シェラザード様は、お疲れではないのですか?」
「あぁ、問題ない。今アメリアに求められても、十分満足させてやれる。」
「そ、そうですか。」

あんなにしたのに・・・恨みがましい目で見上げたけれど、綺麗な目が細められただけだった。若いって時々、凶器になるかもしれない。

それでも、学園を休まない事だけは賞賛するけれど。

いつもの様に学園に到着しては、手を繋いで教室へと入る。そう言えば、今更ながらあの宇宙人のことを思い出した。あれからどうなったのだろう?

あ、普通に学園に来てる。あの状況で強者だな。それでも、私たちに気付くと何とも言えない顔をしていたけれど。

昨日のことを聞いて見れば、服は一定の時間で元通りだそうだ。

「なぁ、アメリア。想像してるよな?そんなに私に妬かせたいのか?」
「えっ、いえ、そんな。」
「昨日のアレでは、物足りなかったか?」

目を丸くした私がシェラザード様を見ると、優しく頬を撫でられ額に口付けされた。

「残念だが、今日は執務がある。だから、週末たっぷりと情を交わそうか。時間が許す限り、な?」

そんないい笑顔でそんなことを言わないで欲しい。嫌だと言えない自分が恨めしい。繋いだ手が口元に寄せられ、ペロッと舐められ口付けも落とされる。

「シェラザード様・・・。」
「ん?どうした、アメリア。」
「時間がある時はシェラザード様が望む通りにお相手しますので、普段は控えて頂けますか?私はシェラザード様の身体が心配です。初めて会った時の様に、あんな状況になったらと思うと。」
「私とは嫌だと言うのか?」

私は思いの丈をぶつけた。執着しているのが、シェラザード様の専売特許だと思わないで欲しいと。あんなに愛して貰えて幸福を感じていることも。

その気持ちと同じ様に、心配する気持ちがあることを。初めて会ったのが、あの疲れ果てたシェラザード様だったのだからだと。

驚いた顔から、頬を赤くし珍しく視線を彷徨わせ・・・その後、提案された。

「昨日の様な事はしないから、やはりそれなりに・・・アメリアに触れていたい。無理はしないしさせないと約束する。だから・・・泣くな。」

泣くつもりなんてなかったけれど、気持ちが高ぶってしまった。シェラザード様の唇が目がしらに触れ、涙を止めてくれた。
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