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転生侯爵令嬢の溺愛物語

第4章 告白現場と口止め料


「お世話になりました。」
「いいのよ。サザライトさん、目が覚めたわ。体調も戻ったみたい。」
「そうですか。では、送ろう。」

えっ?えっ?えっ?いきなり抱き上げられれば、顔が近い。今度は鼻血吹きそうっ!!

「あのっ、私歩けますから。」
「喋ると舌を噛むぞ。では、失礼します。」

会話が噛み合っていない。

「恥ずかしいのなら、私の胸に顔を埋めておけ。」

どうやら、下ろしてくれるという選択肢はないらしい。そして、案の定、あちこちから悲鳴に近い声が聞こえる。

あ~、今、この場で気を失いたい。

そして、ゴージャスな公爵家の馬車に乗せられました。ここまではまだ良かったのですが・・・何故か、シェラザード様の膝の上に乗せられています。

「お、下ろしていただけますか?」
「無駄口はいいから、私に寄り掛かっていろ。」

無駄口って言われたっ!!

「無駄口ではありません。もう、私の体調なら問題ありません。それと、御迷惑をおかけして申し訳っ!?」

触れそうな程の至近距離のシェラザード様の顔。思わず息を飲む。

「口を塞がなければ、物理的に塞ぐことになるが?」

私は何度も頷けば、スッと顔が離れた。そして、私の頭を引き寄せ、肩に預けるように誘導される。

もう、今の私は全身が心臓の様だ。

馬車が走りだし、暫くは静かな空間。

「アメリア。今日はすまなかった。」
「えっ?あ、いえ・・・私の方こそ。」
「私が全面に非がある。許して貰えるだろうか?」

小さく頷くと、私の頭に頬を寄せたシェラザード様。

「お前は・・・愛らしいな(噂は所詮、噂でしかないな)」

そして、そんな事を言われた私はパニックである。私のどこに愛らしい部分があると?自分で言うのもあれだけど、王子に群がる蜂だって言われたこともあるし。

蝶ではなく蜂だよ、蜂!!そんな蜂の私の何処に愛らしい部分が?まさか、シェラザード様は蝶より蜂が好みなの?

など、斜め上な事を思っていた私。

この甘い空間の中、屋敷に到着した私。私を膝から下ろし、先に馬車から外へと出たシェラザード様。私に手を差し伸べ、エスコートしてくれた。

氷の貴公子かつ紳士だ。

そう言えば・・・昨日はあんなに意気込んでいたのに、思ったようにはならなかった。挙句には、愛らしいなんて・・・。
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