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転生侯爵令嬢の溺愛物語

第27章 冬の聖夜祭


私って、そんなにダメな子?それとも、狙われキャラ?

「完全に一族に組み込まれたら、心配は減るのだろうけど・・・どれだけ牽制しても、今は未だ婚約者だから。ちゃんと、庇護されるんだよ?」
「分かりました。」
「今度、シェラとお店においで。それで、うんと高い魔道具強請ればいいよ。そろそろ、次だね。楽しかったよ、アメリアとこうして踊れて。」

お礼を言うと、優しく微笑んでくれた。私、頑張るよ。これ以上ダメな子にならないように。

「はい、次は俺。」
「アラン様。」
「初めてアメリアに触れた。」

思わず笑ってしまう。

「あ、シェラを探してる?シェラなら、ロイド殿下と席を外してる。」
「いつの間に。誰かと踊っているのかと思っていました。」
「余程じゃなければ、踊ったりしないよ。」

元々、アラン様は普段から口数は少ない方だ。それでもいつもより柔らかくて穏やかな表情だった。

「もう、分かってると思うけど、他のヤツらへの牽制。次は、フランだよ。また、踊ろう。じゃあ。」

手が離れると、直ぐに同じ顔が現れた。

「僕が一番に踊りたかったのに、ルーズベルトに先を越されちゃったなぁ。ねぇ、アメリア。シェラの笑った顔を見たの、僕たちは久しぶりなんだ。」
「えっ?」
「驚くよね。そう言えば、アメリアと出会う切っ掛けを聞いた事があったんだけど・・・よく、そんな感じで倒れてたよ。」

まさかである。あの時、食事がその内って言ってたものね。

「シェラって、自分に関心がなかったから。自分以外のことでしか頑張らないんだよ。だから、アメリアと出会った時あんな風に関わられたのが初めてなんだ。」
「あれはちょっと遣り過ぎだった様な・・・。」
「シェラは嬉しかったと思うんだ。一人の人間として、駆け引きなしに気遣われたのは初めてだっただろうから。」

確か、そんな事、聞いた様な・・・。

「それに、アメリアのこと話してくれたシェラは凄く楽しそうだった。だから、皆が感謝してる。一族の長となる重圧で感情を捨て去らずに生きていけそうだから。」
「私はそんな大層な人間ではないですよ?」
「そんな事ないよ。だから、誰にもアメリアを渡したりしないでね?ずっと、シェラのアメリアで居て上げて欲しいんだ。」

一族の結束が強いって聞いていたけれど、今更ながら実感させられた。
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