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転生侯爵令嬢の溺愛物語

第25章 誕生日パーティー


じぃっとシェラザード様を見ていると、小さく息を吐いた。そして、私の耳元に口を寄せた。

「媚薬だ。」

思わず、大きな声を上げそうになった。えっ?大店からのいい贈り物が媚薬?何で?

「ここ数年、それだ。」
「・・・・・・。」

つい、ジト目でシェラザード様を見やる。

「誤解するなよ?私が所望したのではないし、一度も使った事はない。それに、私に必要だと思うか?」
「えっ?」
「あぁ、もっと私と乱れたいと言う事か?」

ブンブンと、顔を横に振る。少しもそんなこと考えていません!!そうやって、直ぐに揶揄おうとするんだから。

シェラザード様は私の肩を引き寄せ、こめかみにキスした。

「必要ならそんなもの無くとも、満足するまで抱き潰してやるからいつでも言え。」

真っ赤になった私を見て、意地の悪い微笑みを浮かべたシェラザード様。いやだ~、抱き潰されるのは。また、小鹿になっちゃう。


あれ?何か、シェラザード様の雰囲気が変わった。振り返ると、焦げ茶の髪色に亜麻色の瞳の男性がいた。私たちより何歳か年上に見える。

「お久しぶりです、シェラザード様。お誕生日おめでとうございます。おや、先程の月の女神。こんなところに隠れていらっしゃったのですね。」

うっ、寒っ!!そして、その値踏みする視線、とっても分かりやすいです。この人もワザとか?ワザとなのか?

「久しいな。あぁ、お前の妹だが、しっかり手綱を付けておけ。」
「申し訳ございません。少々、妹は自由奔放でして。」

ニッコリ笑っては、再び、私に視線を向けられました。

「あぁ、私の婚約者 アメリア=サザライト侯爵令嬢だ。」
「アメリア=サザライトでございます。」
「私はツェイル商会のコーシュ=バクサーと申します。今ここにはおりませんが、妹はアイルと申します。合わせて宜しくお願い致します。」

手を胸に当て、頭を下げた男性は商会の後継者らしい。今回は代理で来たそうだ。

「いや~、本当に月の女神の様だ。大変美しい。」
「見るな。アメリアが減る。」
「女性は見られてヨリ美しくなるのですよ?」

寒っ!!

「挨拶が終わったのなら、もう帰っていいぞ。」
「その様な冷たいことを仰らないでください。今日は、大変良いものを贈り物として持って来ました。」
「去年と同じ物ってことはないよな?」

あ、目を反らした。









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