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転生侯爵令嬢の溺愛物語

第25章 誕生日パーティー


「お前は馬鹿か?冗談で婚約者のお披露目など記載する訳がないだろう。それに、あの事なら知っている。」
「な~んだ。私たちだけの秘密かと思っていましたのに。」
「重ね重ね言うが、お前は馬鹿か?」

呆れた様な口調のシェラザード様に、令嬢らしからぬ唇を尖らせては「酷い~」と軽口を叩いている。

「でも、ふ~ん・・・そっか。次はどれくらいで婚約破棄しますか?」

無邪気に笑いながらそう言い放った女の子に、シェラザード様は努めて冷静に言葉を返した。

「卒業と同時に婚姻を結ぶ様に手配中だ。」

唖然とする女の子に、これでもかと真顔で惚気話をするシェラザード様。段々と女の子の目に涙が浮かぶ。シェラザード様もワザと?それとも、まさか、天然?そして、その現場に同伴している私、とっても居たたまれないのだけど。

だが、最後まで容赦しなかった。

「何一つ、私たちの間には妨げになるものがないからな。(身分も含めて)」

たっぷり思惑が籠ったその言い分に、女の子は歯を食いしばっている。たぶん、シェラザード様の言おうとしている妨げの意味を正しく理解したのだろう。

大店の娘とは言え、相手は平民の様だ。シェラザード様は身分が王族に次いで、一番高い公爵家。それもたった一人の後継者。

「侯爵家・・・。」
「そうだな。で、お前の兄は何処で何をしてる?」
「し、知らないっ!!」

あ、行っちゃった。

「アメリア、すまないな。気分を害させた。」
「・・・そうですね。」
「そうか、なら、迅速に私が世の中から消して来よう。」

いやいや、待って!!う、嘘じゃないけど、そこまで望んでないからっ!!本当に迅速に行動しようとしたシェラザード様を必死に止める。

「シェラザード様、遣り過ぎです。」
「私のアメリアを傷付けたのなら、当たり前だと思うが。」

それで世の中から消していたら、人が一体どれくらい残るのだろう。下手なこと言えなくなる。

「ルーズベルトに言っておこう。」
「えっ?何をですか?」
「ん?さぁ、何だろな。」

い~や~、何、その含みのある物言い。怖いから、本当に怖いからっ!!

「ところで、大店の女性からのいい贈り物って・・・。」

何か、知っている様でシェラザード様はサッと目を反らした。こんな態度は珍しい。余計、気になるのですが?
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